TOEICスコアアップを目指したきっかけ
就職一年目の頃、会社の業績悪化にともない、仕事時間が週5日から4日へと勤務時間が短縮されました。この空いた時間をどうしよう…という思いと同時に、会社の存続についても危機感を感じるようになりました。
そこで、「TOEICの勉強をし850点以上、可能であれば900点以上のスコアがあれば、万が一会社が倒産しても転職活動に有利になるだろう!」と考え、TOEICの勉強をはじめることにしました。
TOEICは、大学生の時に受験経験がありましたが、ビジネス用語が頭に入らなく、高スコア取得のための勉強が続けられませんでした。
しかし、社会人になって再びテキストを開くと普段の仕事でよく使う用語ばかりだったため、社会人になった今だからこそ、チャレンジし続ければスコアアップを狙えるかもしれないと希望もありました。
TOEIC勉強法の3つのポイント
(1)リスニング力を強化する
受験英語で難解な英文や文法問題は対応できるようになっても、リスニングの勉強は後回しになりがちで苦手意識を感じる方が多いと思います。私もリスニングが苦手でした。
一度英語を聞いただけでは全く頭に入らず、読み上げられた内容の原稿を読んで再び聞いてもついていけない程度でした。リスニングは努力しても伸びないのではと諦めかけていた時に、インターネットでTOEICの勉強方法やおすすめ参考書を見つけました。
『英語耳』(松澤喜好著、アスキーメディアワークス)です。
TOEICの高スコアの多くの方が、この『英語耳』という参考書が役に立ったと紹介していました。私もすぐに『英語耳』を購入し、これを始めてみたところ、リスニングがみるみる改善されていったのです。
まず、英単語を聞いても、すぐにカタカナに置き換える癖がなくなりました。
この本では、「自分が発音できない音は聞き取れない」として、子音の発音の仕方を習得し練習します。これをすることで、似たような発音をしているのにスペルと意味が違う単語同士も聞き分けられるようになりました。
ひたすら子音の発音の出し方、メカニズムを学んで実際に声に出して実践することは、最初は退屈で根気が要ります。回り道をしているようにも思えます。
しかし、一通り子音の発音の仕方をマスターしたところ、英語のリスニングが大変楽になりました。発音さえ聞き分けられれば、どの参考書を選んでも「英語を聞き取る」行為をしているのに変わりはないため、参考書が良いかこだわる必要は無いと感じています。
(2)TOEIC対策の本を一冊だけやりこむ
本屋へ行くとTOEIC対策の本がズラッと並んでおり、どれを選べば良いか分からなくなります。私もそうでした。
目標が800点以上のスコアだったため、『TOEIC TESTこれ1冊で990点満点』(植田一三/石井隆之、明日香出版社)と目的が明確な対策本をパラパラ見ただけでフィーリングで選び、他の参考書には目もくれず、一冊やり通しました。
どのページを読んでも、分からない単語は無いという程度まで使い込みました。700点越を狙うのであれば800点突破を銘打った対策本、目標800点越であるなら900点と少し背伸びして本を選ぶと良いです。
ある程度のレベル(700点越)の方は特に、リーディングの点数は伸びにくいのでリーディング対策本は一冊だけ終わらせ、リスニング対策に時間を割いた方がスコアのトータルは伸びるでしょう。
(3)「キクタン」で楽しく単語学習
単語を沢山覚えたからと言って、読解力が絶対に上がるわけではありませんが、(時には文全体の流れで類推する力も必要です)単語を知らないがための時間ロス対策に、上記(1)(2)の合間に単語を覚えました。
しかし、単語を覚えるだけの作業は苦痛で、(1)で英語の発音記号は学んだものの、実際に正しい発音がどうなのか確信できません。そこで、やり始めたのが『聞いておぼえる英単語キクタン』(一杉武史編集、アルク)です。
『聞いておぼえる英単語キクタン』は、CDがついているのですが、単に単語が読み上げられるのではなく、音楽のようなリズムに乗って英単語の発音、そして日本語の意味が交互に読み上げられるため、頭に入りやすいのです。
iPodに取り入れ、通勤中に毎日聴いていました。電車の中で参考書を広げても眠くなってしまいますが、キクタンは音楽を聴く感覚で取り組めるので眠くなることもありません。
単に聞き流すのでは無く、英単語が読み上げられた後、自分の頭の中で日本語の意味及びスペルを咄嗟に思い浮かべるというトレーニングを続けました。
以前はテスト本番中に、「どこかで見たことあるけど、自信を持って意味が答えられない系統」の英単語に出くわすことが多かったのですが、キクタンを一通りやることで不明単語の数が少なくなり、咄嗟に意味を思い出せる反射神経も身に着きました。
問題をスピーディーに解くのに、この反射神経は役立ちました。(TOEICテストはとにかく時間勝負です)
TOEICを勉強されている方へのアドバイス
TOEICで高得点を取りたいという人達は、単に履歴書の見栄えを良くするために勉強するのでしょうか?
私が上述した勉強方法(特に(1))は地道で決して短時間で劇的に点数を伸ばすのは難しい類の勉強方法と言えます。そして「こういった問いが出たら、こういうパターンだから、この答えを選択すべし」といった問題に正解する為のテクニック期待できない方法です。
しかし、「ネイティブ並みに話せるようになる」、「英語の難解なニュースも聞くだけで内容を理解できる」などTOEICハイスコアの先にある目標があるのならば、特効薬に頼らず地道に毎日コツコツ続けるのが結局は近道ではないかと思います。
その当たり前を続けるのに人間は誰しも苦労するわけですが……。私の場合、855点止まりで900点越えをしていません。個人的に855点取ればもう充分だとは思っているので、このスコアを取って以来はTOEICを受験していません。
しかし、最近になり、また挑戦してみようと思い始めています。今度は、対策本をやりこむのでは無く、読書好きな日本人が国語の勉強をせずとも自然と小説や論文の読解ができる、というのと同じ要領で、英字新聞や雑誌、洋書を読む方法にシフトして、どのような結果になるか試してみたいのです。
ハイスコアを取ることが目的ではなく、「英語の読み・書き・話し」を日常でできる人を目指しています。
どうせならTOEICテストを受ける必要の無い、対策を一切しなくても点数が取れるネイティブ並みの域に達しようと思いませんか?
この記事が少しでも皆さんのTOEIC勉強のお役に立てれば幸いです。これからも一緒に頑張りましょう!