英語を短期間でマスターするために必要なことは、「戦略を立てる」ことです。
最短でゴールに到達するためには、どこに力を注ぎ、どこで手を抜くかを最初に見極めることが非常に重要なのです。
世の中には英語学習に関する情報や教材が溢れています。あれもこれも手を出していたら、とてもじゃありませんがこなしきれません。
「何を勉強し、何を勉強しないか」を取捨選択することがとても重要なのです。
では、そのやるべきことと、やらなきていいことをどうやって見極めればいいのでしょうか。その具体的なポイントを紹介します。
短期間で英語を身につけるための5つのポイント
①自分に必要な英語を明確にする

英語の学習戦略を考える時に、最も重要なことは英語を学習する目的です。「何のために英語が必要なのか?」ということです。
英語はあくまでも何かの目的を達成するための目的であって、英語を使って何をしたいのか「英語学習のゴール」は人それぞれ違います。
- 世界一周旅行で困らない英会話力をつけたい人
- 英語でビジネスの商談をしたい人
- 字幕なしでハリウッド映画を見れるようになりたい人
英語の学習目的を曖昧にしたまま勉強を始めると、「世界一周旅行で困らない英会話力をつけたい人が、映画を字幕なしで見れる勉強」をしてしまうのです。
これではいつまでたっても、世界一周旅行で困らない英会話力はつきません。そこから逆算して、「勉強しなければいけないこと」と「勉強しなくてもいいこと」が判断できるようになります。
学生時代の勉強はまんべんなく勉強しなければいけませんが、社会人の勉強は必要な部分を勉強すればいいんです。
「英語で海外旅行をしたい」人は、旅行に必要なフレーズを重点的に覚える。
「これは自分の目標に関係ないからやらない」と割り切る。やらなくていいことは捨てて、やるべきことにやる気とエネルギーを集中する。
多くの人は「何をやるか」ばかりを考えますが、「何をやらないか」を決めることが重要です。
取捨選択をするために、まずは「自分が学ぶべき英語」を明確にしてみてください。
②スピーキングとヒアリングに集中する

英語学習の柱は、「読む」「書く」「聞く」「話す」ですが、すべてをバランスよく勉強する必要はありません。
日本人は「読む」「書く」については、中学校や高校でかなりの時間勉強しています。「耳では聞き取れないけど、文章を読めばわかる」ということはよくあると思います。
リーディングとライティングについては、後回しです。必要な時に勉強すれば大丈夫です。
まずは、スピーキングとヒアリングだけを集中的に鍛えることです。
メール等でライティングが必要になることもあるかもしれませんが、英文メールなどのライティングはお手本を真似するのが効率的で賢い方法です。
「英文メール例文集」といった本やネット上でもテンプレートがたくさん紹介されているので、必要に応じてそれらをコピペすればいいのです。あるいは、ネイティブからもらったメールから使える文章を自分なりにアレンジして使うこともでできます。
スピーキングとヒアリングは他人の助けを借りることができません。そのため、スピーキングとヒアリングに集中して勉強するのが最短でゴールに到達するための基本戦略です。
③シンプルパターンを一つだけ覚える

英語の参考書やテキストを見ていると、同じセリフでも言い回しがたくさん紹介されています。短期間で英語をマスターしようと思ったら、いくつもの言い回しを覚えている余裕はありません。
「シンプルパターン」を一つだけ覚え、これを使いこなすことが英語力をアップさせるコツです。
例えば、ホテルで「テレビがつかない」ということを伝えたいとします。
そのときに、
「The TV has broken(テレビが壊れています)」
「 The TV is out of order(テレビが故障中です)」
「There’s no TV reception.(テレビが全くうつりません)」(reception はTVなどの受診能力)
などいろいろな言い方があります。でも英語で色々な表現を駆使することはおすすめしません。
「The TV doesn’t work.」(テレビが作動しません)
これであれば、テレビ以外での何か機械等の調子が悪い時は、主語を変えれば伝えることができます。一つ一つの表現に対して個別に英語を与えようとしていれば、英語を何10年勉強していてもキリがありません。
スピーキングにおいて重要なのは、日本語を単純化して簡単な英語に言いかえることです。
要は意図を伝えることができればいいのです。自信を持って「言いたい事が伝わればOK」と割り切り、言い回しは一つに絞って覚えるようにしましょう。
④必要なフレーズを効率よく覚える

日常会話に最低限必要なシンプルパターンは100~200程度です。これは中学~高校1年生までに勉強している文法やフレーズです。
この範囲の勉強をすれば、100~200程度のパターンをストックすることができるのです。
旅行や日常会話、ビジネス英語においては、大学受験で求められるようなマニアックな英語の知識は必要ありません。むしろ、深入りすると細かいことが気になって話せなくなるので、逆効果です。
本屋さんの参考書売場で簡単そうな英文法の問題集を買ってきて、その一冊を集中して覚えるようにします。
覚えたものをスピーキングにつなげるには、例文を何十回も音読し一瞬で口から出てくるようになるまで暗唱するようにしましょう!
⑤アウトプットの時間を最優先で確保する

英語が話せるようになるには、シンプルパターンのフレーズを頭に叩き込み、これをどんどん使ってみることです。
日本人は、このアウトプットの練習が足りていないので、まずはアウトプットの時間を確保するようにします。アウトプットの時間は自分で作らなければ確保できません。
「毎週木曜はオンライン英会話をする!」と決めて、他の予定は入れないようにします。この日にアウトプットするという目標ができるとインプットの質も高まります。
「100パターン覚えてからオンライン英会話を始めよう」など「準備ができてからやろう」では、絶対にいつまで経っても話せるようにはなりません。
まずはアウトプットする機会を作ってしまうこと!今すぐにでもオンライン英会話を申し込んでしまうのもひとつです。
英会話で優先すべきは、「正確さ」よりも「伝わる」ことです。正確さにこだわりすぎるとコミュニケーションの妨げになってしまいます!
間違えてもかまいませんので、覚えたフレーズをどんどん使うことです。思考錯誤しながら身につけていけばいいのです。
「明日はオンライン英会話で先生との会話しなければいけない」と思うと、インプットの集中力・記憶力が格段に高まるので、相乗効果のメリットががあります。
アウトプットがあってこそ、インプットが活きるということをぜひ心しておきましょう!
⑥外国人なんだから間違って当然と開き直る

英語のフレーズを覚えておくと、話せる内容が格段に増えていきます。しかし、日本人の場合それだけでは話せるようにならないことが多いです。
その理由は、日本人のスピーキング力アップを阻んでいるのは、技術的な面より心理的な面が大きいからです。
日本人には、「間違ったら恥ずかしい」という気持ちがブレーキになって、話せない人が非常に多いです。
日本人の多くは帰国子女でもなければ、長期海外生活者でもありません。慣れない外国である英語がうまく話せなくても、英語を間違ってしまっても当然なのです。
例えば、日本語を勉強している外国人が、流暢に日本語を話せないことに「下手な日本語を話してみっともない」と思うでしょうか?
間違った日本語を話していても、「外国人なんだから間違っても当たり前だよね」と思いますよね。つたない日本語で頑張って話している姿には心打たれるものがあるのではないでしょうか?
私たち、日本人は英語を間違っても当然なのです。
村上春樹さんなどは、流暢な英語でなくても堂々と話しておられ、聴衆をひきつけるスピーチをされています。
You Tubeなどでスピーチを聴いてみるとわかりますが、日本語なまりが強い英語だですし、話すスピードもゆっくりです。語彙もあまり多くありませんし、難しい単語も使っていません。
ネイティブみたいに正しい英語、綺麗な英語を話せなくても大丈夫です。「必要なことが伝わりコミュニケーションがOK」と割り切りましょう!
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短期間で英語をマスターするポイントを5つ紹介しました。
自分にもあてはまる部分もあったのではないでしょうか?
ぜひ、これらのポイントを頭に入れながら英語学習をしてみてください。きっと今まで以上のスピードで英語力が身につくはずです!