読み書きはできるけど、話せない…これが日本人には多い悩みです。
学校では、リスニングやスピーキングの授業がほとんどなかったこともあり、メールのやり取りはできるのに、電話になると途端にわからなくなる、という現象が起きてしまいます。
ここでは、まずリスニング力を上げるためにオススメの学習方法をご紹介したいと思います。
聞き流しの注意点
よく「英語シャワーを浴びるといい」、「聞き流しているとわかるようになる」ということを耳にしますが、聴き続けているだけで理解できるようになるわけがありません!
リスニング力アップを目指す理由は何ですか?
相手を理解するためですよね。つまり、「意味を理解する」ということをベースにせずして、リスニング力は上がらないということです。
もちろん、聞き流すことで、「音」として英語に慣れることは可能です。無駄だとは言いませんが、聞き流し=英語が理解できるようになる、という図式は忘れましょう。
ここで紹介する方法は、どれも「意味を理解する」ことがベースにあることをポイントとしてください。
英語字幕で映画や海外ドラマを見る
映画はもちろん、海外ドラマなどは、英語学習にはとても効果のある教材になります。吹替ではなく、日本語字幕でご覧になっていると思いますが、リスニング力アップに効果的な視聴法があります。
1. まずは日本語字幕付きで映画(海外ドラマ)を観る。
2. 内容を理解した状態で、もう一度英語字幕で観る。
時間的に全編は無理でも、お気に入りのシーンなどを、この方法で観ることで、聞こえ方が全く変わることを実感してもらえると思います。
学習している段階では、どうしても「理解する」ことが最優先され、映像の中で話されていることそのものへの集中力は半減してしまいます。
だからこそ、意味をしっかり理解した上で、「聞く」ことの集中してみましょう。
英語独特のリエゾン(言葉と言葉をつないで発音する)などにも、少しずつ耳が慣れていくはずです。
身近なニュースを英語で聞いてみる
ニュース番組で使われる英語は、「伝える」ことを気にしていることもあり、とてもはっきりした発音です。
アメリカ英語であればCNN、イギリス英語であればBBCで、日本で報道されたニュースを調べて聞いてみましょう。
ポッドキャストでは、ニュースをまとめたものもたくさんあります。ここでも、必ず意味を理解しているニュースを聞くことがポイントです。
ひとつオススメのポッドキャストをご案内します。
- バイリンガルニュース
世界で話題のニュースを日本語・英語のバイリンガルが話をする番組。トピックも面白く、日本語と英語の会話はとても聞きやすいですよ。
有名なスピーチを真似してみる
リスニング力と発音はリンクしているとよく言われています。聞き分ける力がつくと、自分自身の発音も変わっていきます。ここで、オススメする方法が、有名なスピーチを使ったものです。
例えば、「Stay hungry, stay foolish」というフレーズをご存知の方は多いと思います。Steve Jobsがスタンフォード大学の卒業式で話したスピーチの一節です。
ネット検索すると、Jobsのスピーチはもちろんアカデミー賞受賞スピーチやノーベル賞受賞スピーチなど様々なジャンルのものを動画だけでなくそのセリフ(Script)を手に入れることができます。
学習方法は次のとおり、
1. まずお気に入りのスピーチをひとつ決める
2. 英語のセリフと日本語訳を手に入れる(日本語訳が見つからないときは、一部分を自分で訳してみましょう。負担になると続かなくなるので、できる範囲で!)
3. セリフを追いながら、スピーチを聞いてみる(しっかり聞き取れるまで繰り返す)
4. 自分で実際に真似をして読んでみる
5. セリフを見ずに、スピーチだけを聞いてみる
「理解する→聞く→聞こえる→真似する→発音できるようになる→もっと聞こえる」、この流れを体験できる面白い方法です。
オススメのスピーチは
- スティーヴ・ジョブス: スタンフォード大卒業式
- メリル・ストリープ:アカデミー賞授賞式
- レオナルド・ディカプリオ:アカデミー賞授賞式
- チャップリン:映画「独裁者」
検索にかけると、動画やセリフが見つかるのでお気に入りを探してみてください。
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お金をかけずに楽しく続けられるリスニング力アップに繋がる学習法をまとめました。
リスニング力をアップさせると、発音にもプラスの効果が見込めます。
小さい子供が言葉を覚えるのは、家族の話している言葉やテレビでよく聞くフレーズが情報源になっていることを考えると、聞いて真似することが発音を良くすることは理解できますね。
聞き流すのではなく、しっかり意味を理解して、じっくり聞き込むことで、英語独特のアクセント・イントネーションなどが身につき、スピードが上がっても聞き取ることができるようになっていきます。
まずは興味のある分野やお気に入りの映画から、しっかり聞いてみませんか?