英語を学習していくなかで、私たち日本人が常に意識しなければならないのは、英単語の意味と使い方はセットだということです。
学生の頃、単語帳で「 Look=見る」というような形式で意味を丸覚えしませんでしたか?
この使い方を置き去りにしていると、実際の英語としては意味がズレてしまい誤解を招くこともあります。
ここでは、日頃よく使う表現の中で、間違いやすいフレーズをまとめてご紹介します。
意味だけでなく、どう使うのか?を一緒に覚えていきましょう。
もちろん!
簡単なこのひと言。意外にもニュアンスに注意しなくてはならないフレーズです。
例からみてみましょう。
A: Can you finish this task by 11:00am? ( 11時までにこの仕事終わらせる?)
B: もちろん!
ここで、「もちろん= Of course」という式が出てきてしまうと危険!
このシチュエーションで、「 Of course!」というと、もちろんという意味に「言うまでもなく」というニュアンスが入ってしまいます。つまり、もちろんというより「当然」というニュアンスになるということです。
日本語で考えてみてください、「もちろん」と「当然」のニュアンスの違い。
みなさんが「もちろん」と組み合わせている「 Of course」は、「当然」という意味です。「もちろん」は「 Sure!」です。
「もちろん= Sure」「当然=Of course 」で、セットです。
忘れてきた …
みなさんの「忘れる」は自動的に「 forget」になっていませんか?
例えば、
「携帯を家に忘れてきた」という時、
・ I forgot the cell phone at home.
と言ってしまってるのでは?これは間違いです。これだと、「家で携帯電話のことが思い出せなくなった(忘れた)。」というおかしな意味に。
この場合の「忘れる」は「置き去る、置きっぱなしにする」という意味なので、「 Leave」を使って、
・ I left the cell phone at home.
となります。
「忘れる」の意味をしっかり分けて英訳しましょう。
ハイテンション?
すごく盛り上がってる時に「テンション高いね」や「ハイテンション」というフレーズを使うことがあると思います。
この「 Tension」という単語、日本語では「調子・気分」という捉え方をされていますが、英語では「緊張・張り詰めた感じ」を意味しています。
つまり、ハイテンション=とても緊張している、という全く違う意味になっていますね。
日本語でいう「ハイテンション」は、
・ Excited / high
という単語で表現することができます。
・ I’m excited. / I’m high.
というフレーズがセットになります。
頑張って!
「頑張って= Fight」のセットを日本ではよく耳にします。
英語では「 Fight」は文字通り「戦う・殴り合う」という意味なので、「戦え」と言っていることになってしまいます。
格闘技で「 Fight!」と言っているのを聞いたことありませんか?あの場面では、「頑張れ!」という意味ではなく、「戦え!」とゲーム開始を伝えているんです。
では、「頑張って」とはどう言うのか?
・ Good luck.
・ Go for it.
がぴったりきます。
普段よく使う「和製英語」も気をつけなければならないフレーズです。
教えて!
先ほど紹介した「忘れる」と同じく、日本語とのセットのイメージが強すぎて意味がズレてしまいがちなのが「教える」という言葉です。
例えば、「電話番号教えて!」は、
・ Teach me your telephone number!
とは言いません。
「 Teach」は「(知識や技能を)教える」という意味なので、この場面では当てはまりませんね。
「情報を教える」のニュアンスの「教える」は「 Tell」です。
つまり、
・ Tell me your telephone number!
が正しい表現です。
ちなみに、「使い方や方法を教える」場合は、「 Show」です。
「レストランへの行き方を教えて」→ Show me the way to the restaurant.
となります。
教える内容によって、単語が変わるので、注意して使い分けましょう。
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間違いやすいフレーズを 5つご紹介しました。
どのパターンでも、固定した日本語訳が弊害になっていましたね。
コミュニケーションの道具としての英語を使いこなすには、もちろん語彙力は必須になります。だからこそ、「使い方」を習得することはとても大切です。
普段何気なく使うフレーズになればなるほど、そのフレーズの意味をまず日本語で噛み砕いてから、適切な単語を使いましょう。
そして、カタカナになって頻用されているフレーズにも和製英語と呼ばれる誤用が紛れていることがあります。英語学習に欠かせないのは、「ひと手間」です。
「これは大丈夫かな?」という疑問を常にもって、辞書で意味と使い方を確認するひと手間が、英語をより身近なものにしてくれますよ。
Good luck!