いろいろな媒体で、「英語を短期間で身につける」というようなタイトルの記事を見かける一方で、日本人の「コミュニケーション下手」が問題されるようになってきました。
文化として、コミュニケーションの取り方が、日本と英語圏では大きく違います。ジェスチャーを含め、非言語な部分での英語独特な部分や、日本人がやりがちな癖を知ることで、コミュニケーションをより円滑にすることができます。
ここでは、非言語コミュニケーションのコツをご紹介したいと思います。
すぐに見直そう、避けたい癖
うなずく日本人
外国人が不思議に思う日本人のジェスチャーといえば、「うなずく」ことです。外国人からしたら、日本人は相槌を打つ回数が多く、会話がしづらいとの意見もあります。
話し手も聞き手も必要以上にうなずく姿は外国人には、「いかにも日本人」と思われているそうです。ニワトリみたいだと笑う人もいるとか…むやみにうなずくのは控えましょう。
自分を指すとき、手はどこ?
日本人独特と言われるのは、自分の指し方。自分の顔を指しませんか?これは、欧米では「顔そのもの」を指していることになり、「自分」は意味しません。
「胸」に手を置くのが欧米のジェスチャーなので、気をつけてみましょう。
コミュニケーションのポイント
アイコンタクトをしっかり
日本の文化として、相手の目をじっと見ることは失礼とする考えがあるということもあり、アイコンタクトを避ける癖があります。
逆に欧米では、会話している時に目をそらすと、「話に興味がない」と認識されてしまう可能性があります。凝視する必要はありませんが、相手の表情をしっかりみながら会話を心がけることが大切です。
笑顔を忘れないで
日本人は無表情だとよく言われます。英語でのコミュニケーションだけでなく、日本語での会話でも、笑顔や柔らかい表情は空気を和ませることができます。
ただ「ヘラヘラしている」感じになってしまっては、逆に不信感を与えてしまうので、一度自分自身の話している時の表情を鏡で見てみるといいですよ。
わからないときは、ちゃんと聞き返そう
学校の授業やビジネスの会議でも、日本人は発言することを苦手とすることが多いようです。
特に質問や相手が言ってることがわからないときでも、黙ってその場をやり過ごそうということが多いのではないでしょうか…この流れを止めたくない、相手に悪い印象を与えたくない、いろいろと考えてしまうかもしれませんが、誤解が起きることの方が結果的にコミュニケーションそのものをネガティヴなものにしてしまいます。
「わかろうとしている」姿勢そのものが、相手に良い印象を与えるので、わからないことを伝えることを恐れずに、しっかりわかり合うようにしましょう。
ついつい言ってしまう癖、気をつけよう
ここからは、気をつけたいフレーズもご紹介します。
「Yes」は相づちじゃありません!
日本人が相づちで「はい、はい」ということもあり、そのまま「Yes, yes」と言ってしまう人がいます。これは欧米の人には不自然で不快に聞こえることもあるようです。
「Right」や「Uh-huh」のような英語の相づちをまとめて身につけておくといいですね。安易に直訳せずに、一度確認してみるようにしましょう。
「Sorry」を使いすぎてませんか?
誰かに何かしてもらった時に「ごめんね、わざわざ」という言い方をすることもあり、日本人はとにかく「Sorry」を乱用しています。
欧米では「sorry」そのものに「謝罪・残念」という意味があり、そこには日本語の「すいません」にあるような「謝意」は含まれません。
どちらにしてもネガティヴな単語である「sorry」は魔法のフレーズ「thank you」に置き換えられないか、一度考えてみましょう。
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英語教育としては、かなり高度な文法を学ぶことができる日本。にもかかわらず、コミュニケーションの観点からすると、英語力が圧倒的に低いと言われています。
他と違っても自分の意見を主張する、という文化もなく、感情を表に出すことは協調性を重んずる文化では軽視されてきたと言えます。
英語学習に取り組んでいる皆さんにとっては少しネガティヴに聞こえてしまうかもしれませんが、日本人は場の空気を読む力に長けています。つまり相手を重んずる姿勢はあるので、あとは「相手を理解しようとする」想いを行動に変えていく作業をすればいいということです。
英語のフレーズを覚えるコツと同じく、「真似をする」ことはとても大切です。
相手の文化を知るためにも、相手のジェスチャー、アイコンタクト、声のトーンなど全体を真似してみると、普段の自分の癖との違いにも気付くのではないでしょうか。
まずは、笑顔でアイコンタクト、堂々とした姿勢で、焦らず穏やかに相手を理解しようとする。
これは英語でも日本語でもコミュニケーションの要になります。何よりも、英語学習と同じく、コミュニケーションを楽しみましょう!